住宅ローンを借りる際、考慮するポイントは複数あると思います。いくら借りるのか、どのくらいの期間借りるのか。これらは当たり前に考えると思いますが、同時に、住宅ローンは借りるけど、できるだけ返済額は減らしたい。こう考える方は多いのではないでしょうか。
マイホームを買うために利用する人の多い住宅ローンですが、長期間返済すると、利子の金額もかなりのものになります。そこで考えたいのが、住宅ローンの繰上げ返済です。この繰上げ返済にはどれほどの効果があるのでしょう。
住宅ローンの繰上げ返済って何?

■住宅ローンの繰上げ返済とは
住宅ローンの繰上げ返済とは、例えば毎月10万円ずつ返済するところを、任意のタイミングで100万円一気に返すなど、通常の返済より多くの額を返すことを意味します。ちなみに住宅ローンの繰上げ返済には、2つのタイプがあり、それぞれの特徴は以下です。- ・期間短縮型
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繰上げ返済をした分だけ返済期間を短縮し、以降の毎月の返済は従来の金額のままとする方法です。
期間を短縮するので利息の軽減効果が高く、総返済額の軽減という意味でも行うメリットは大いにあります。一般的に繰上げ返済と言えば、こちらをイメージする人が多いでしょう。 - ・返済額軽減型
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完済までの残り期間は変えず、毎月の返済額を繰上げ返済した分だけ減らすという方法です。
完済までの期間は変わらず、利息の軽減効果は期間短縮型に比べて少ないものの、毎月の返済額が減るので家計の負担が軽くなるという効果があります。
■繰上げ返済は早く行うほどメリットが大きい
住宅ローンの繰上げ返済を行うと、計画通りに返済するケースよりも完済までの期間を短縮できる、あるいは総返済額を減らせるなど、さまざまなメリットがあります。期間短縮型か、返済軽減型か、選ぶタイプによって効果が変わりますが、いずれにしても家計にとってプラスになることは間違いありません。そして、その効果をより高めるには、繰上げ返済を早い段階で行う方が良いとされています。
ローンの借り入れ当初は残高が多く、返済額に対する利息も大きいでしょう。しかし、早期にまとめて大金を返済してしまえば、その分利息が減って後々の負担も軽くなります。
■頑張りすぎは逆効果? 思わぬデメリットもある
住宅ローンの繰上げ返済は、早く行うほど効果的とお伝えしました。では、多少無理をしてでもどんどん返せば良いかというと、そんなことはありません。
ローンの利息軽減効果を狙えるほどまとまったお金を一度に返すとなると、普段の家計へのダメージは相当なものになるでしょう。急な出費に備え、ある程度の余裕は持ちつつ返済していくというのが住宅ローン運用の大前提です。
また、繰上げ返済を行うことで思わぬデメリットが発生することも考えられます。
たとえば期間短縮型の繰上げ返済をして返済期間が10年を切ると、それまで受けられていた住宅ローン控除の対象外となってしまうのです。そのほか、マイホームを売却する際の特別控除も、繰上げ返済をしていたためにローン残高が売却額を下回り、控除を受けられないということもあります。
基本的にはメリットが多い繰上げ返済ですが、思わぬところで損をしてしまう場合もありますので、いついくら繰り上げるのがお得なのかを知っておいてください。